設計監理のプロセス

設計監理料の目安
工事規模や構造、工事契約金額を基に算定します。木造二階建て住宅の場合で総工事費の11〜13%です。
木造三階建て、RC造、S造の場合は、構造設計料として別途、設計監理料の15〜20%の費用がかかります。

設計監理のプロセス
建築家の立場は、独立した立場の専門家です。デザイナーであり技術者であると同時に、様々な局面において「建主の代理人」となるということです。そのために建主の権利・利益を最優先させることが可能となります。「こんな家に住みたい」「こんな暮らしがしたい」「この土地や条件で夢が叶うだろうか?」最初はいつもお客様からのこうした漠然とした相談から始まります。

1.問い合わせと相談
E-mail、電話、等でご連絡後、お気軽に事務所へおいでください。事務所の雰囲気や過去の住宅の図面や写真、模型などを見ていただき、設計料、設計の進め方などを説明させていただきます。また、オープンハウスや見学会にいらしていただければ、実際の建物の雰囲気を目でみて感じていただけると思います。相談は常識的な範囲であれば、無料です。

2 ヒアリング
お互いに顔を合わせ、ここで大いに夢や希望を語っていただきます。敷地の状況をヒアリングし、関係法令を確認します。ご希望があればご一緒に現地の確認も行います。その敷地環境のもつ特徴、個性、問題点などを専門家として分析します。まだ土地探しの段階でもアドバイスが可能です。過去の経験や簡単なスケッチによって、様なアイデアや発想をお話します。

3 設計監理契約
建て主さんには住宅条件調書へ家に対する思いを記入していただきます。敷地周辺の環境やご家族の家に対する希望を充分把握した上十分な時間をかけて基本計画案を作りますので、設計監理契約を結んでいただくことをお願いしています。もし、提案が気に入らない場合や不安を感じたりした場合は、実際に行った仕事量の実費をいただければ、いつでも契約の解除が可能です。契約前に案を作成することもありますが、提案内容により費用が発生いたします。契約に至れば提案費用は設計監理料に充当されます。

4 基本計画〜基本設計
ここで重要なのは、具体的な素材や工法よりも暮らし方、子育てのあり方、時間の使い方といった漠然としたイメージです。この段階ではあまり細部にこだわらず、フリートークを行い実現の可能性は気にせず、おたがいに自由な発想によるコミュニケーショが大切です。さらに敷地条件、概略の構造や工法、各種法令、コストなども検討いたします。設計者の検討作業だけでなく、住まい手の側でもイメージを高める時間が必要なのです。その上で基本計画案を固め,具体的なプラン,全体デザインを固め,基本的な仕上等を決めていきます。

5 実施設計
基本設計が承認されたら、実施設計に入ります。
基本設計に基づき、実際に施工する時や見積もり時に必要な意匠・構造・設備・電気の詳細設計を含む「設計図書」を作成します。機能、デザインから構造、設備にわたって技術的な検討を重ねるとともに、概算コスト検討を行います。建主さんの夢を叶え、美しく機能的な建築をつくることはもちろんですが、予算内に収めることも大変重要です。

6 施工会社へ見積依頼・査定
設計図が完成したら、施工会社に工事費の見積もりを依頼します。施工会社の選定は、十分な技術力のある数社を選定し、見積もり競争入札によって決定することが基本になります。建設会社から提出された見積書について、設計図と整合され、市場の実勢に合う単価であるか,見積もり落ちがないか等、チェックします。この結果に基づき建主の判断において建設会社を決定しますが、設計者が見積もりの妥当性や精度、技術力、実績などについてアドバイスをします。無駄のない設計、公正な競争原理、地道なマネジメントが建築のコストパフォーマンスを向上させます。

7 確認申請
建物を建てるためには、各種法令に適合しているかどうかを関係行政機関に確認してもらわなければなりません。このために図面と申請書類からなる「確認申請図書」等を作成し、建主の代理人として申請します。

8 工事監理
予算が折り合い、施工会社が決まったら、工事請負契約を行い、工事着工となります。工事請負契約は建主と施工会社(建設会社、工務店)が直接締結しますが,私たちは建主の代理人として工事を監理する立場となります。信頼関係の元、独立した3者がお互いに義務を負い合うのが本来の形です。この場合、設計事務所が建設会社の元請けや下請けとなることはありません。建主は発注者として大きな権限を持ちますが「意思決定」と「支払い」という最大の責任を負うことにもなります。各々3者が全力を尽くし、スムーズに機能することで、高品質・低コストの建築をつくることができます。
ここでいう「監理」とは、施工会社の行う「施工管理」とはまったく異なる業務です。現場監督の行う「管理」とは、工程管理、資材の発注、安全管理、墨出し、施工指示図作成といった施工上のマネジメントです。設計事務所の行う「監理」とは、現場が設計図書どおりに施工されているかどうかを建主の代理人としてチェックすることです。また設計図書以上の細部を検討したり、施工図・製作図をチェックするなどして、具体的な材料や工法,品番や色などを決定します。いよいよ建物が完成すると、やはり建主の代理人として竣工検査を行い、問題があれば手直しの指示をします。また行政機関の完了検査等にも立ち会います。
設計監理契約から建物の完成まで、基本設計2ヶ月、実施設計3ヶ月、見積もり調整期間1〜2ヶ月、工事期間6ヶ月。全体で通常12〜15ヶ月程度とお考え下さい。

9 アフターケア
建物が完成すれば業務としては終了になりますが、必要に応じて点検を行います。修理やメンテナンスは施工会社が行いますが、建築家は建主の代理人として、そして建物のことをよく知るドクターとして、専門家の眼でアドバイス、指示、査定等を行うことができます。増改築やインテリアのご相談、家具・備品選びなどについても、出来る限りお手伝いしていきたいと思います。

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